理事長挨拶

東北放射線科学センターは、昭和56年に発足し、放射線に関する知識の普及などを目指し、科学技術の進展や国民生活の福祉向上に役立つことを基本理念として放射線科学教育や技術者の育成等を実施してきました。

放射線は微量ながら広く自然界に存在し、我々はその放射線を受けながら生活しています。 また、放射線は、放射線診断、Ⅹ線コンピュータ断層撮影などの医療面の利用や、非破壊検査、厚さ計、雪量計、煙感知器、タイヤの強度増強など工業面の利用、および、バイオ技術と組み合わせて稲の品種改良をはじめ、黒斑病に強い梨や菊の花の色の改良など農業面など様々な分野で幅広く利用され、豊かな国民生活の維持に大きく貢献しています。

しかしながら、平成23年3月11日に発生した東日本大震災による福島第一原子力発電所事故により、環境中に放射性物質が放出されている状況も重なり、一般の人々には放射線の持つ潜在的なリスクのみ強調され、有用性等については十分に理解されているとはいいがたいと思われます。 このような中において、放射線の種類や性質、放射線の人体に与える影響、正しい放射線の取り扱い方、放射線・原子力利用の実状など、放射線・原子力に対する正しい知識の普及・啓発や教育研修活動などが重要と考えられます。

本センターは、放射線に関する調査研究、教育研修活動、普及啓発活動、支援活動などを踏まえて、福祉向上に努めていきます。

東北放射線科学センター
理事長 宍戸文男

概要

設立
昭和56年5月東北放射線科学センター設立
事務所
本センターは、事務所を仙台市青葉区中央二丁目8番13号に置く。
目的
本センターは、放射線に関する知識の普及、放射線科学教育、放射線の生物、環境に及ぼす影響などに関連する調査研究並びに放射線取扱いや原子力全般に係る技術者の育成を行い当該科学技術の進展及び国民生活の福祉向上に役立つことを目的とする。
事業
本センターは、前条の目的を達成するため、次の事業を行う。
  1. 放射線に関する知識の普及
  2. 放射線に関する科学教育の実施
  3. 放射線取扱技術者並びに業務従事者教育の実施
  4. 第2種放射線取扱主任者資格取得受験講習会の実施
  5. 原子力全般に係る技術者の教育研修業務
  6. 放射線による障害の防止に関する調査研究
  7. 放射線の工学および医学、農業、漁業への利用に関する調査研究
  8. 放射線の生物および環境に及ぼす影響に関する調査研究
  9. 前各号のほか、本センターの目的を達成するために必要な事業

活動内容

調査研究
放射線影響に関する調査研究、放射線利用に関する調査研究等について行います。
技術教育
放射線管理技術者養成の放射線技術教育として第2種放射線取扱主任者資格取得受験講習会等を実施しています。
普及啓発
学校・保護者、市町村自治町内会などの一般団体等を対象として放射線等について講演会の実施しています。
教育研修

小・中学校を対象に実験器具を使い、講師が放射線について楽しく教える理科教室や、高校・大学・一般を対象とした放射線基礎講座を実施しています。

また、小・中学校や高等学校の先生方へ、放射線教育等に必要な実験や測定方法を分かりやすく説明します。